NPO 法人世界ヒバクシャ展は、6人の写真家が、広島、長崎、チェルノブイリや各地の核実験場、ウラン採掘の現場などでヒバクシャの姿を撮った作品を出し合って、「世界ヒバクシャ展」を2005年まで各地で開催してきました。私(森下一徹)が病に倒れ、実質的に活動を中断せざるを得ませんでしたが、福島第一原発の事故を機に、娘の森下美歩を中心に若い世代が活動再開に向けて動き始めてくれました。
近年、広島、長崎をはじめとする米ロの核軍縮は進展したものの、核保有国は増えてしまいました。広島・長崎での被爆者と、核実験やチェルノブイリなどの原発事故での被曝者の苦しみは続いています。また、先ごろの東日本大震災に伴う福島第一原発事故では、作業員や周辺住民が大量に被曝するなど核の問題は、現代に大きな影を落とし続けています。
今回の事故でも分かるように、「核の平和利用」とされている原発も人々に大きな災いをもたらす危険性があります。今はまだ、人間は核というものをいじれる時代ではないのではないでしょうか。過ちを繰り返さないために、人類は、経験からもっと学ぶべきです。
広島・長崎の被爆者の高齢化はますます進み、時代の証言を直に聞くことはどんどん難しくなっていきます。だからこそ、写真、映画、音楽、絵画などで伝えていくことがますます重要になってきています。今回の緊急フォーラムは、核兵器も原発もない世界を目指すとともに、ヒバクシャ治療の経験を今回の事故による放射能汚染への対応に活かし、子どもたちを放射能から守る暮らし方を共有しようというものです。皆様、ぜひご参加ください。
NPO法人世界ヒバクシャ展
代表 森下一徹
7人のなでしこと7人のサムライ
広島、長崎から始まった核の悲劇は世界中に広がり、核実験や原発事故などで放出された放射能は多くの子どもたちを苦しめてきました。今、福島第一原発の事故で地元福島はもちろん、首都圏を含む広大な地域で子どもたちが危険にさらされています。
そのことに気づき、今何をすべきかを考えていただきたいと私たちは思っています。子どもを真剣に守りたければ、真剣に考えなくてはいけません。今起きていること、本当のことから目をそらさず、逃げずに立ち向かわなければいけないのです。
福島からの歌のスペシャルゲストを含め今回のフォーラムにゲストとして出演する7人の女性たちは、地球の子どもたちを守るために立ち上がった日本のなでしこだと私は思っています。母性あふれる彼女らは皆、なでしこの花のようにやさしくて小さいけれど勇敢で、「純粋な愛」というなでしこの花言葉にぴったりです。
そして、自ら被爆し、6000人以上の被爆者の治療をし、必死の思いでその体験を伝え続けている94歳の肥田舜太郎先生や、時には自らもヒバクしながら命をかけてヒバクシャを撮り続けてきた6人の写真家は、日本のサムライといっても過言ではありません。現場に切り込んでいく写真家の武器は、刀ではなくレンズです。彼らが本当の目撃者であり証人です。彼らの写真が証拠そのものです。
真実は常に隠されてきました。世界のヒバクシャの写真を見に来てください。そして福島に何が起きているのか、想像してください。知ってください。
世界ヒバクシャ展緊急フォーラム事務局
森下 美歩
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